バックエンドエンジニアのためのプロンプトエンジニアリング実践入門

目次

はじめに

「またこの単純作業か…」「エラーの原因特定に時間がかかりすぎる」「新しい技術、どこから手をつければ…」

日々バックエンド開発に取り組む中で、こんな風に感じたことはありませんか?

特に経験1〜3年目で、もっと体系的に知識を身につけたい、日々の開発を効率化して先輩エンジニアとの差を埋めたいと考えているあなたへ。
近年急速に進化する「生成AI」とその「対話方法」であるプロンプトエンジニアリングは、そんな悩みを解決する強力な武器になるかもしれません。

生成AI、特に大規模言語モデル(LLM)は、文章の作成や翻訳、コード生成など、驚くほど多様なタスクをこなします。
しかし、その能力を最大限に引き出すには、人間側が「どのような指示(プロンプト)を与えるか」が非常に重要になります。
これがプロンプトエンジニアリングの核心です。

この記事では、バックエンドエンジニアであるあなたが、プロンプトエンジニアリングの基礎を理解し、明日から使える具体的なテクニックを学び、日々の開発業務(コード生成、ドキュメント作成、デバッグなど)に応用できるようになることを目指します。

プロンプトエンジニアリングを身につけて、AIを頼れるアシスタントにし、あなたのスキルアップと開発効率の向上を加速させましょう!

プロンプトエンジニアリングとは?

プロンプトエンジニアリングとは、一言で言えば「AIとの上手なコミュニケーション術」です。

例えば、経験の浅い後輩に開発タスクをお願いする場面を想像してみてください。
「これ、よしなにやっておいて」では、期待通りの成果は得られにくいですよね?
目的、背景、必要な情報、期待するアウトプット形式などを具体的に伝える必要があります。

AI、特にLLMも同様です。
AIが持つ強力な能力を引き出すためには、私たちが「何を」「どのように」やってほしいのかを明確かつ効果的な指示(=プロンプト)として設計し、伝える技術が求められます。
これがプロンプトエンジニアリングです。

では、なぜこれがバックエンドエンジニアにとって重要なのでしょうか?
それは、プロンプトを使いこなすことで、以下のような日々の業務を劇的に効率化できる可能性があるからです。

  • 定型的なコードの生成: APIのエンドポイント、基本的なCRUD処理、テストコードなど
  • ドキュメント作成: コードコメントからの仕様書生成、READMEの自動作成
  • デバッグ支援: エラーメッセージの解析、考えられる原因の示唆
  • SQLクエリの作成・最適化
  • 既存コードのリファクタリング提案
  • 新しいライブラリやAPIの使い方の学習

プロンプトエンジニアリングは、単なる「AIへの質問の仕方」ではなく、AIを自らの開発プロセスに組み込み、生産性を向上させるための実践的なスキルセットなのです。

良いプロンプトを作成するための考え方

具体的なテクニックに入る前に、効果的なプロンプトを作成するための基本的な考え方と、AIがどのように指示を解釈・学習するかのメカニズムを理解しておきましょう。

生成AIへの指示で意識すべきこと

良いプロンプトを作るための考え方は、実は人間とのコミュニケーションと共通する部分が多くあります。
それに加えて、AI特有の性質を考慮することが重要です。

  • 人間相手と同じように明確に
    • 背景情報・必要な知識を提供する: AIは世界のあらゆる知識を持っているわけではありません。タスクに必要な前提条件や文脈をしっかり伝えましょう。(例:「このGo言語のコードについて…」「以下のDBスキーマを前提として…」)
    • 明確かつ簡潔に書く: 曖昧な表現は避け、具体的で分かりやすい言葉を選びます。ただし、冗長になりすぎないよう簡潔さも意識します。
    • タスクをステップに分解する: 複雑な依頼は、一度にすべてを指示するのではなく、処理のステップに分けて指示するとAIが理解しやすくなります。
  • 生成AI特有のポイント
    • AIが学習した指示形式を意識する: AIは特定のタスク(要約、翻訳、分類など)を実行するように訓練されています。その訓練データに含まれるような指示形式に近づけると、性能が向上することがあります。
    • AIの潜在能力を引き出す工夫: AIは私たちが考える以上の能力を持っていることがあります。単に作業を依頼するだけでなく、思考プロセスを示させたり(後述のChain of Thought)、特定の専門家になりきらせる(後述のペルソナ設定)ことで、より高度な応答を引き出せる場合があります。

AIはどうやってプロンプトから学習する? 基本メカニズム

プロンプトエンジニアリングが効果を発揮する背景には、LLMがプロンプトから動的に学習する能力があります。
特に重要な2つの概念を紹介します。

  • コンテキスト内学習 (In-Context Learning – ICL):これは、LLMがプロンプト内で示された少数の「入出力例」から、その場でタスクのパターンやルールを学習する能力です。事前にモデルを再トレーニングすることなく、プロンプトだけでAIの挙動を調整できます。
    • Zero-shot: 例を全く示さずに、タスクの指示だけを与える方法。(例:「このコードをPythonに翻訳して」)
    • Few-shot: 1〜数個の入出力例をプロンプトに含める方法。(例:「入力: Hello -> 出力: こんにちは \n 入力: Thank you -> 出力: ありがとう \n 入力: Good morning -> 出力:」) バックエンド開発では、期待するコードの形式や命名規則を示すのに有効です。
    • Many-shot: 多数の例を与える方法ですが、プロンプトが長くなりすぎるため、Few-shotがよく使われます。
  • Chain of Thought – CoT: 複雑な問題(特に推論や計算が必要なタスク)に対して、最終的な答えだけでなく、そこに至るまでの「思考プロセス」や「中間ステップ」を例としてプロンプトに含める手法です。これにより、AI自身もステップ・バイ・ステップで考えるようになり、より正確な回答を導き出しやすくなります。
    • 例:算術問題で計算過程を示す、デバッグでエラー特定の手順を示すなど。

これらの考え方とメカニズムを念頭に置くことで、次章で紹介する具体的なプロンプトテクニックの効果をより深く理解し、応用できるようになります。

バックエンドエンジニアが知るべき7つの基本テクニック

前章で学んだ考え方を踏まえ、ここではAIの応答精度を高めるための具体的なプロンプトテクニックを7つ紹介します。
これらはGoogleの社内研究や公開されている論文でも効果が示されているものです。
バックエンド開発の場面を想定した簡単な例と共に見ていきましょう。

タスクの分割

一度のプロンプトで複雑なタスクをすべて依頼するのではなく、複数の単純なタスクに分割して順に依頼する方法です。

  • 悪い例(一括指示): 「ユーザー登録APIを作成して。データベーススキーマはこれで、バリデーションはこれこれ、エラーハンドリングはこんな感じで、最後にテストコードもお願い。」
  • 良い例(分割指示):
    1. 「以下の仕様でユーザー登録APIのインターフェース定義(例: OpenAPI Spec)を作成してください。」
    2. 「このインターフェース定義に基づいて、Go言語でハンドラー関数の雛形を作成してください。」
    3. 「このハンドラー関数のユニットテストを作成してください。正常系と、メールアドレス重複のエラーケースを含めて。」

このように分割することで、AIは各ステップに集中でき、より正確な結果を生成しやすくなります。

処理順序の明記

複数のステップを含むタスクでは、人間が自然に考える処理の順番通りに指示を記述することが重要です。研究によれば、不自然な順序で指示するとLLMの精度が低下する可能性が指摘されています。

  • 例(DB操作):
    • 「①DBに接続するための設定情報を定義してください。②その設定を使ってDB接続を確立するコードを書いてください。③接続を使って指定のテーブルからデータを取得するクエリを実行してください。④最後に接続を閉じる処理を書いてください。」

特にアルゴリズムや処理フローを生成させたい場合に有効です。

肯定形での指示

「〜しないでください」といった否定形の指示よりも、「〜してください」という肯定形の指示を使う方が、AIは意図を正確に理解しやすい傾向があります。

  • 悪い例(否定形): 「変数名にキャメルケースを使わないでください。」
  • 良い例(肯定形): 「変数名はスネークケースを使用してください。」
  • 悪い例(否定形): 「パスワードを平文で保存しないでください。」
  • 良い例(肯定形): 「パスワードはbcryptでハッシュ化して保存してください。」

期待する具体的なアクションを直接指示しましょう。

具体例の提示(Few-shot / ICLの実践)

前章で説明したIn-Context Learning(ICL)を活用し、期待する出力の具体例をプロンプトに含める手法です(Few-shot Prompting)。
これは特にフォーマットやスタイルを指定したい場合に強力です。

  • 例(JSON形式の指定):
以下のテキスト情報をJSON形式で構造化してください。

例:
テキスト: 'ユーザーID: 123, 名前: 山田太郎, メール: yamada@example.com'
JSON: {"user_id": 123, "name": "山田太郎", "email": "yamada@example.com"}

テキスト: 'ユーザーID: 456, 名前: 佐藤花子, メール: sato@example.com'
JSON:
  • 例(コードスタイル): Go言語のエラーハンドリングの例を示す、特定のコメント規約の例を示すなど。

一貫性のある形式で例を示すことが重要です。

思考プロセスの例示(Chain of Thought – CoTの実践)

これも前章で触れたChain of Thought(CoT)を活用するテクニックです。
特に複雑な推論や問題解決が求められる場合に、最終的な答えだけでなく、そこに至る思考プロセスや中間ステップも例として示すことで、AIの推論能力を高めます。

  • 例(デバッグ支援):
以下のPythonコードのエラー原因を特定したい。
コード:
(ここに問題のコードを記述)
エラーメッセージ:
(ここにエラーメッセージを記述)

思考プロセス例:
1. エラーメッセージ `KeyError: 'user_id'` は辞書に 'user_id' というキーが存在しないことを示唆している。
2. コードの該当箇所を見ると、APIレスポンス `response_data` から 'user_id' を取得しようとしている。
3. `response_data` の内容を確認する必要がある。もしAPIがエラーを返した場合、期待したキーが含まれていない可能性がある。
4. 対策として、キーアクセス前に `response_data.get('user_id')` を使うか、`try-except KeyError` でエラーを捕捉すべき。

考えられる原因と対策は?

AIに問題解決の手順を学習させることができます。

ペルソナ設定(役割を与える)

AIに対して特定の役割(ペルソナ)を与えることで、その役割に応じた知識や視点に基づいた回答を生成させることができます。

  • 例:
    • 「あなたは、セキュリティ専門家の視点から、このコードの脆弱性をレビューしてください。」
    • 「あなたは、経験豊富なデータベース管理者(DBA)です。このSQLクエリのパフォーマンス改善点を指摘してください。」
    • 「あなたは、技術的な知識のないクライアントにも理解できるように、このAPIの機能を説明してください。」

タスクに合わせて適切な専門家になりきってもらいましょう。

期待感の付与(感情を乗せる)

少し意外かもしれませんが、「これは私のキャリアにとって非常に重要です」や「君ならできる、頑張れ!」といった感情的な言葉や期待を伝える一言を加えることで、AIの性能が向上する場合があるという研究報告もあります。
常に効果があるとは限りませんが、試してみる価値はあるかもしれません。

これらのテクニックは単独で使うだけでなく、組み合わせて使うことで、より複雑な要求にも対応できるようになります。

実践!バックエンド開発でのプロンプト活用例

ここまでの章で学んだ考え方やテクニックを、実際のバックエンド開発シーンでどのように活かせるか、具体的なプロンプトの例を見ていきましょう。
ここでは4つの典型的なタスクを取り上げます。
プロンプトには、前章で紹介したテクニック(ペルソナ設定、タスク分割、具体例提示など)を組み合わせています。

コード生成(シンプルな認証機能)

  • 依頼タスク: Python (Flask) で、メールアドレスとパスワードを受け取り、パスワードをハッシュ化して検証する基本的な認証関数の雛形を作成する。
  • 使用テクニック: ペルソナ設定, タスク分割(入力チェック、ハッシュ化、比較), 肯定形指示, 具体例提示(ライブラリ)
あなたは経験豊富なPythonバックエンドエンジニアです。以下の要件でFlaskアプリケーション用の基本的なユーザー認証関数を作成してください。

# 要件
1.  関数名は `authenticate_user` としてください。
2.  引数として `email` (文字列) と `password` (文字列) を受け取ってください。
3.  まず、emailとpasswordが空でないかチェックしてください。空の場合は `False` を返してください。
4.  次に、与えられた `email` を使ってデータベースからユーザー情報を取得するダミー処理を入れてください。(コメント `# ここでDBからユーザー情報を取得` を入れるだけでOK)
5.  ユーザーが見つからない場合、または取得したユーザー情報にパスワードハッシュ (`stored_hash`) が含まれていない場合は `False` を返してください。
6.  パスワードの検証には `bcrypt` ライブラリを使用してください。提供された `password` とDBから取得したハッシュ済みパスワード (`stored_hash`) を `bcrypt.checkpw()` で比較してください。
7.  検証が成功したら `True` を、失敗したら `False` を返してください。
8.  必要な `bcrypt` ライブラリは `import bcrypt` でインポートしてください。

# 出力形式
Pythonの関数コードのみを出力してください。

ドキュメント作成(API仕様書の一部)

  • 依頼タスク: Go言語の関数シグネチャとコメントから、Markdown形式でAPI仕様の一部を生成する。
  • 使用テクニック: ペルソナ設定, 具体例提示 (Few-shot), フォーマット指定
あなたはテクニカルライターです。以下のGo言語の関数定義とコメントから、Markdown形式でAPI仕様書の一部を作成してください。

# 例
入力 (Go):
// GetUser godoc
// @Summary ユーザー情報を取得
// @Description 指定されたIDのユーザー情報を返す
// @Param userId path int true "ユーザーID"
// @Success 200 {object} model.User "成功時レスポンス"
// @Failure 400 {object} errResponse "リクエスト不正"
// @Failure 404 {object} errResponse "ユーザーが見つからない"
// @Router /users/{userId} [get]
func GetUser(c *gin.Context) { /* ... */}

出力 (Markdown):
### GET /users/{userId}
**概要:** ユーザー情報を取得
**説明:** 指定されたIDのユーザー情報を返す
**パスパラメータ:**
- `userId` (int, 必須): ユーザーID
**レスポンス:**
- `200 OK`: 成功時 (`model.User`型)
- `400 Bad Request`: リクエスト不正
- `404 Not Found`: ユーザーが見つからない

# あなたのタスク
以下のGo言語関数について、上記例と同じ形式でMarkdownを生成してください。

入力 (Go):
// CreateItem godoc
// @Summary 新しいアイテムを登録
// @Description リクエストボディで受け取った情報で新しいアイテムを作成する
// @Param item body model.NewItem true "登録するアイテム情報"
// @Success 201 {object} model.Item "作成されたアイテム"
// @Failure 400 {object} errResponse "リクエスト不正"
// @Failure 500 {object} errResponse "サーバーエラー"
// @Router /items [post]
func CreateItem(c *gin.Context) { /* ... */}

出力 (Markdown):

デバッグ支援(エラーメッセージの解説)

  • 依頼タスク: SQL実行時に発生したエラーメッセージの原因と対策について、考えられる可能性をいくつか挙げてもらう。
  • 使用テクニック: 背景情報提供, 思考プロセス要求 (CoT風), ペルソナ設定
あなたは経験豊富なデータベースエンジニアです。以下の状況について、考えられる原因と対応策をいくつかステップ・バイ・ステップで説明してください。

# 状況
-   使用DB: PostgreSQL
-   実行しようとしたSQL: `INSERT INTO products (name, price) VALUES ('テスト商品', 1000);`
-   発生したエラーメッセージ: `ERROR: null value in column "category_id" violates not-null constraint`

# あなたへの依頼
1.  このエラーメッセージは何を具体的に意味していますか?
2.  このエラーが発生する主な原因として考えられることをリストアップしてください。
3.  それぞれの原因に対して、どのように問題を特定し、修正すればよいか、具体的な対応策を提案してください。

SQLクエリ作成

  • 依頼タスク: 指定された条件に基づいて、特定の情報を取得するためのSQLクエリを作成する。
  • 使用テクニック: 背景情報提供 (スキーマ), 具体的要件指示, ペルソナ設定
あなたはSQLのエキスパートです。以下のテーブル定義と要件に基づいて、SQLクエリを作成してください。

# テーブル定義
テーブル名: `orders`
カラム:
- `order_id` (INT, 主キー)
- `user_id` (INT, FK to users.user_id)
- `order_date` (DATE)
- `total_amount` (DECIMAL)
- `status` (VARCHAR) -- 'pending', 'shipped', 'delivered', 'canceled'

テーブル名: `users`
カラム:
- `user_id` (INT, 主キー)
- `name` (VARCHAR)
- `registration_date` (DATE)

# 要件
1.  2025年4月1日以降に登録したユーザー (`users.registration_date >= '2025-04-01'`) に絞り込む。
2.  そのユーザーによる注文 (`orders`) のうち、ステータスが 'shipped' または 'delivered' のもの (`orders.status IN ('shipped', 'delivered')`) に絞り込む。
3.  結果として、ユーザー名 (`users.name`) と、そのユーザーの条件に合致する注文の合計金額 (`orders.total_amount` の合計) を取得する。
4.  ユーザー名でアルファベット昇順に並び替える (`ORDER BY users.name ASC`)。

# 出力
上記の要件を満たすSQLクエリのみを出力してください。

これらの例のように、タスクの内容に合わせてテクニックを組み合わせることで、より的確で質の高い出力をAIから得ることが可能になります。

プロンプトエンジニアリングをさらに活用するために

プロンプトエンジニアリングは、一度学べば終わりではありません。
AIモデルは進化し続け、新しいテクニックも登場します。
ここでは、スキルをさらに伸ばし、より高度な活用を目指すためのヒントをいくつか紹介します。

試行錯誤を恐れない

完璧なプロンプトを一発で書くのは難しいものです。
多くの場合、期待通りの結果を得るためには、プロンプトを少しずつ修正し、試行錯誤を繰り返す必要があります。
これはプログラム開発におけるデバッグやリファクタリングに似ています。
「シンプルな指示から始めて、結果を見ながら徐々に改善していく」というアプローチを心がけましょう。
どのような指示がどのような結果につながるかは、実際に試してみないと分からないことも多いのです。

AIの限界を知り、対処法を考える

生成AIは万能ではありません。
例えば、複雑で厳密な算術計算や、リアルタイム性が極めて重要な情報の取得は苦手な場合があります。
また、学習データに含まれていない最新情報や、アクセス権のない内部情報に基づいて回答することもできません。
機密性の高い情報をプロンプトに含める際には、セキュリティポリシーを遵守することも重要です。

このような限界に対して、プロンプトエンジニアリングだけでは対応しきれない場面も出てきます。
その際には、以下のようなより高度なアプローチも検討できます。

  • Function Calling: プロンプトに応じて、AIが外部のAPIやツール(例:株価取得API、自社サービスのAPI、データベース検索など)を呼び出すように指示する機能です。AIが直接行えない処理や、最新・正確な情報を外部システムから取得して利用できます。
  • Agent (ReAct): 「推論(Reasoning)」と「行動(Acting)」を繰り返す考え方に基づいたアプローチです。AIが自らタスクの計画を立て、必要な情報収集や処理のためにツール(API)を呼び出し、その結果をもとに次の行動を決定するといった、より自律的な処理の実現を目指します。これにより、単一のプロンプトでは実現できない複雑なワークフローの自動化が期待されます。

これらの技術は発展途上ですが、プロンプトエンジニアリングの応用として注目されています。

学び続けるためのリソース

プロンプトエンジニアリングの世界は日進月歩です。
最新情報を得るために、以下のようなリソースを活用しましょう。

  • 公式ドキュメント・ガイド: Google AI (Gemini) や他の主要なLLM提供元の公式ドキュメントやブログは、最も信頼性が高く、最新の情報源です。
  • 技術ブログ・コミュニティ: Zenn, Qiita, はてなブログ、X (旧Twitter) などには、多くのエンジニアが実践的なプロンプト例や最新テクニック、試行錯誤の結果を共有しています。
  • オンラインコース・書籍: 様々なプラットフォームでプロンプトエンジニアリングに関する学習コンテンツや専門書籍が出版されています。

積極的に情報を収集し、実際に自分の手でプロンプトを試してみることがスキル向上の鍵となります。

まとめ

この記事では、バックエンドエンジニアにとってのプロンプトエンジニアリングの重要性から、その基本的な考え方、明日から使える7つのテクニック、そして具体的な活用例までを紹介しました。

プロンプトエンジニアリングは、単なる流行り言葉ではありません。
AIという強力なツールを使いこなし、日々の開発業務を効率化し、より創造的なタスクに集中するための実践的なスキルです。

重要なポイントを振り返りましょう。

  • AIへの指示は明確に: 目的、背景情報、期待する出力形式、ステップなどを具体的に伝えることが基本です。
  • 基本テクニックを活用: タスク分割、肯定形指示、具体例提示(Few-shot)、思考プロセス例示(CoT)、ペルソナ設定などを組み合わせることで、AIの能力をより引き出せます。
  • 実践と試行錯誤が鍵: まずは簡単なタスクからAIとの対話を始め、プロンプトを少しずつ改善していくことが上達への近道です。

生成AIの進化は目覚ましく、プロンプトエンジニアリングの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。
この記事が、あなたがAIを有効活用し、バックエンドエンジニアとしてさらにスキルアップしていくための一助となれば幸いです。

さあ、今日からあなたの開発ワークフローに、プロンプトエンジニアリングを取り入れてみませんか?

参考文献


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

10年目のバックエンドエンジニアです。
若手バックエンドエンジニアの道標となる情報を発信します。
PHP, Laravel, MySQL, AWS, Dockerが得意です。
よろしければXのフォローもよろしくお願いします。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次